まぬけじる日記

もうすぐ不惑を迎える男のまぬけな日常を描いた雑記です。Twitter:@manukejiru

俺には在宅勤務とか無理だわ

 「家で仕事しても生産性落ちないどころかむしろ上がってる!」とかほざいている奴もいるようだが、今は新型コロナウイルスのせいで経済活動がないに等しい手加減モードだからなんとかなってるだけで、世の中が平常モードに切り替わったら手も足も出なくなってパンクすることは目に見えているのではないか。「いやいや、仕事量は全然変わってないし」とか反論してくる人は、さぞかし生活空間の他に仕事用の静かな空間が用意できる豪邸にお住まいになられているのであろう。
 
 新型コロナウイルスが流行し始める前の時代においては、家は仕事をする場所ではなく、休んだり遊んだりするための場所であったことを忘れてはならない。そのため、家で仕事をするなどという家本来の趣旨とはズレた使い方をすると、漫画やゲームやDVDなどいった遊びや息抜きを目的としたアイテムが仕事を阻もうと容赦なく誘惑のウインクを投げかけてくるわけである。在宅ワークに成功している人は家にいてもこれらの誘惑に屈しない不屈の精神の持ち主であるということなのだろうか。いやいや、そんなに強い人間が多かったのなら、世界はこんなにダメになっていない気がする。どうせZoomのカメラには映らないところでYoutubeどうぶつの森という仕事とは全く関係ない世界が展開されているに違いないのである。

 それでも、単身で家に住んでいる人は、仕事を妨害する要素が物質だけなのでまだ良い。家族、特に子供と同居している人にとって、在宅ワークというものは単に仕事ではなく、全く違うスポーツへと変貌してしまう。向こうの方で子供が飛び回っている音や、奇声をあげて歌ったり叫んだりしているくらいならまだ可愛い方だ。さて、これから2手、3手先の展開を読むために、深く思考を巡らそうという時に、子供がノートPCのキーボードめがけてダイビングしてくるようなアクション映画顔負けの展開が15分に1回は起きるのだ。社員がみんな同じオフィスに出社していた時代は良かった。少なくともみんなが同じスタートラインに立てていたのだから。

 家が仕事をするのに適した環境であるかは、人によって大いに異なるものである。土俵が全く違うのだから、一律の評価基準を設けられては溜まったものではない。新型コロナウイルスが収束した後も、在宅勤務の継続を望む声は多くなりそうだし、都市部の満員電車を解消したら手っ取り早く国民の支持を得られそうなので、政府としてもそれを大いに奨励するだろうという嫌な予感はするが、思うに在宅勤務にも向いている人と不向きな人がいるのであって、不向きな人までいつまでも家に閉じ込めておくこともなかろうと思うわけである。